物騒なタイトルですがw

 人を殴ると簡単に言いましたが、そのポーズは人を殴ろうとしているのか、殴った直後なのか、殴った後なのかでずいぶんと違います。このエントリーでは、人を殴るという点だけでなく、上半身は腰の動きに付随するという点にも着目してもらえればより深く理解ができると思います。

殴りかかる


 殴る前には構えがあるんですが、これは今回省きます。構えの意図などによって解説のポイントが違うのと、そこまで格闘技をやってきたわけでもないので的外れなことを言い出す可能性が高いのと、実写を見て作ったほうが理解しやすいため、いわゆる構えについては皆さん自習でがんばってください。ここでは今まさに殴ろうと動いているポーズを作ります。

悪い例

良い例


 二つ並べてみました。両者の違いは腕の力の抜き具合です。人の体の動きの起点は例外なく腰です。その腰の動きに後から上半身はついていきます。これが上半身の腕となると、もう一つ、鎖骨が起点になります。

 腰がパンチの為にねじられ、その勢いに上半身がついてゆき、鎖骨というか、肩によって方向性が定められ、腕はその定められた向きにしたがって動きます。このとき、腕に余計な力が入っているとあたっても痛くないパンチになります。

 バーチャファイターがローポリなのに殴られたら痛そうなのは、上半身の脱力をうまく表現……というかすごくよく研究しているためです。

 ちなみに、殴りかかっているポーズを作ってもらおうとして悪い例のようなポーズを作る人はまずいませんw というのも、殴った後については思い込みや先入観が入り込んでくる余地があるのですが、今から殴るというポーズとなるとイメージがしづらいため、資料を良く見るようになります。ところがどっこい、これがモーションとなるとこの脱力部分をすっ飛ばす人が多くなります。最初と最後の大体の部分が作れればモーションが作れるためと、その最初と最後に思い込みが大きく含まれるためですね。資料を良く見るのって大事です。

殴った


 インパクトの瞬間です。このあたりのポーズを作る人は(多分)多いのですが、妄想や思い込みが入りやすく、あまりよくない出来になることが多いようです。(多分)

# pixivで見る限り、これも初期の話で、近頃は良くできている人の方が多いです。経験値の差か。

悪い例

良い例


 上半身の硬さと腰の回転を無視したためスキが大きくなりっています。これは前項の殴りかかると共通している点です。

 伸びきった腕か、伸ばす途中の腕かに注目してください。ボクシングなどの動画を見てもらえればわかるとおり、型稽古の型のとおり命中することは稀です。当てようとしたポイントの大体手前に当たります。両者動いていますからね。よって、命中したときのポーズは殴りかかっているときのポーズとよく似たものになります。

 殴る方向も大きな違いです。地球上に存在する限りは、上は空で、下は地面でして、上方向には力は逃げるけれども下方向には逃げにくいです。同じ力で瓶を叩いたとして、上方向に叩けば飛びますが、下方向に叩けば割れます。ボディーブローやアッパーカットなど上方向に衝撃を加えるものもありますが、ボディーブローの場合は殴る対象の骨格の都合上、肋骨から狙うよりもみぞおちから上に殴った方がダメージが大きいためです。アッパーは首の間接の都合上、あごをたたき上げた方が頭部へのダメージが大きいためです。上方向への衝撃を加える場合は、必ず骨格の都合などの理由が存在します。

殴った後


 残心とか呼ばれたりします。

悪い例

良い例


 悪い例の足を広げて左手をガードにも回しただけですが体の安定感が随分違います。人を殴るということは、当然殴り返される可能性があるということです。一撃で仕留められない限りは次の挙動に注意する必要があり、場合によってはこちらから仕掛ける必要があります。よって、悪い例のごとく体が流れるのは非常によろしくないです。ゲームとかでよくあるのでこういうポーズを作ったり、描いたりするひとは多いようですが、あの、それ創作ですから。

 ゲームのモーションで特にひどかったものといえば、ブシドーブレード。切りかかったときに背中を丸めてお辞儀してるとか、あなた死ぬ気ですか。漫画でもバキで電話ボックス内で殴り合って、アッパーしたら電話ボックスごと浮くとか、どんだけ軽い下半身だと。

 つまんないツッコミなんですが、こういうところをこまめに感じ取ってポーズに反映させていくと、リアリティとリアルをいい具合に混在させることが出来ます。特に格闘系は、まずは写真を模倣して体の動きの基礎を作ってから、創作ものの創造に移るのが順当な道筋かと思います。

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